言おう

「なんか臭う」女が言う。
俺じゃない。先刻、外に出た時、温泉の硫黄の匂いが、霧雨の中、鼻をついたんだから。
「外の硫黄の匂いだよ」
私は窓を開けて、女に示した。あまりピンときていないようだ。
窓を閉め、「俺の方から匂う?」と訊くと、苦笑いした。
やっぱり俺から匂うんだ。

という夢を見た。

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