私は子供のようにはしゃぎながら、弁天島に向かって歩いた。
島に着くと、そこは舗装されておらず、岩がデコボコに隆起している、謂わばノーマンズランドだった。
非日常に刺激され、私は鳥居の方まで、足場を確かめながら進んだ。鳥居をくぐりたかったのだ。
しかし、鳥居があと数メートル先というところで、言いようのない不安が私の胸に去来した。誰かが、そこでもうやめておけと、私に伝えているのではないか、と私はそれを解釈した。
人知の及ばない、何者か、何か圧倒的な力を持つ自然や神と称されるものに対する強い畏怖のようなものを感じた。
胸の圧迫感は、弁天橋を渡り終わってからも、しばらく続いた。
ここは、神様の居場所なのだ。
だから、人は遊び半分で訪ねてはならない。
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