2014-04

また私の精神を錯乱させる出来事があるであろうとぼんやりと予期しつつ、電車に乗り込んだ。出入り口付近にニンゲンは固まっていたから、私は奥に行き、つり革を持ち自分の安全だと感じられるポジションを探し眺める。目の前に座るニンゲンの容貌を吟味する。...

後ろを振り返ると満開の桜から2枚の花びらが無風の中、落ちてゆくのが見えた。風が吹いていたわけではないから、あの花びらたちは自らの意思で散り落ちたのであろうか。四月から電車がより混むようになった。奴隷は満員の電車に乗せられ、大きなビルへと向か...

丁度路地から早稲田通りに出る手前の場所で、うしろの方からエンジン音が近づいてくるのが聞こえた。私は胸騒ぎがした。私は緊張と不安に縛られた。私は後ろを振り返るのが怖かった。何故なら振り返ったら顔をその音を発している何かにぶつけることになるかも...